相続は人生でそう何回も経験するものではありません。
手続きにも不慣れですし、相続をきっかけに人間関係がこじれることも多々あり、相続を経験した方の約7割が「大変だと感じた」というデータがあります。

何が大変だったのかというと、色々な手続きが必要な不動産の名義変更、税金対策やキャッシュの工面、親族との相続の進め方の調整などがあげられています。
特に、不動産は抵当権や借地権の設定があるなど、色々な要素が絡み合うと手続きはさらに煩雑になりますし、相続の進め方については法的効力のある遺言書などがない場合、相続に遭遇してから利害関係者が「ああだこうだ」と言い始めると、この調整は相当大変な労力となります。

そして、相続が「大変」を通り越して「トラブル」になったと感じている方も全体の約2割程度あり、その内容はやはりお金のことで、分割方法や額に関することです。
不動産の評価額への不満、生前に親の面倒を見ていた等の寄与分の主張、生前贈与への不公平感なども影響します。また、「隠し子や不倫相手、養子の存在が発覚した」、「全く知らない相続人が急に現れた、増えた」というような、ドラマのような出来事に遭遇した方もあるようです。

このような相続に伴う「大変」や「トラブル」への対応策は、やはり、
・相続を身近なものと捉えて先送りすることなくしっかり準備する
・実際にどのような対応をするかについて、被相続人の意思も含めて事前に親族間ですり合わせをしておく
・相続時には遺産分割協議書を必ず作成しておく
といったことが重要です。

前回と今回でご案内したとおり、相続は誰もが準備すべきことですし結構大変なことなので、次回からは、相続の基本を解りやすくご案内していきたいと思います。